ソノセーバー
W, HSono Saver
洗浄機の管理者へお勧めの測定器RECOMENDATION
その日の気温や気圧、洗浄液の溶存酸素量などで、洗浄効果が大きく変動する洗浄作業工程の管理は、管理者にとって、頭の痛い管理項目です。
そんな洗浄槽の超音波の音圧管理に最適な測定器が、ソノセーバーです。ソノセーバーは極めて簡単な操作で音圧を測定し、その日の音圧をレファレンスとしている正常な日の値と比較することにより、洗浄槽の状態が正常か否か判断できます。
ソノセーバーは10段階の音圧レンジの設定が可能で、その各々の設定レベルに対して10個のLEDインジケータがが10段階の音圧を表示します。即ちソノセーバーは100段階の音圧レベルの測定が可能であり、言い換えると2つの音圧を1%の精度で比較可能です。
たとえば、昨日の測定データーが日誌に記録されていれば、昨日と同じ場所で測定することにより、現在の音圧が、昨日の音圧と比較し何パーセントなのかを簡単に判別できます。
音圧というものに不慣れな作業者でも、ソノセーバーによる定期的な測定で、洗浄槽の洗浄力を数値で読み取り、洗浄力不足などの状況を事前に察知するとともに、洗浄機の故障なども容易に発見でき、洗浄力不足などによる製品不良を未然に防ぐことができます。
主な特徴FEATURES
※ソノセーバーは10個のLEDレベル・メーターを持ち、10段階の音圧レンジ調整機能と、それぞれのレンジで10段階の音圧をLEDが表示します。 ※棒状のプローブを洗浄液に差し込み、点灯したLEDの位置を読み取るだけの簡単操作です。 ※水、有機溶剤、IPAの測定ができます。 ※乾電池駆動で、自動ON/OFF機能付きなので長時間使用可能です。
機能紹介FUNCTIONS
※ソノセーバーの構造は棒状の測定器の先端に取り付けたPZTセンサーで洗浄槽内の極めて狭い部分の超音波振動を拾い、その電圧をAD変換し、特殊なフィルターとアベレージングにより超音波の強さを計算し、LEDインジケーターで表示するものです。
※10個のLEDはソノセーバーのモードにより、10段階のレンジの調整に使用するとともに、そのレンジ内の10段階の音圧を表示します。
※ソノセーバーは10段階のレンジと各レンジにおける10ポイントの音圧表示が可能で、トータル100ポイントの音圧測定が可能です。
(NOTE)
洗浄液により以下の2機種が選択可能
UA-101A:ソノセーバーW(水用)
UA-102A:ソノセーバーH(炭化水素用)
製品仕様SPEC
周波数帯域 | 20 kHz〜300 kHz |
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材質 | ステンレス製(SUS304) |
ON/OFF | オートスイッチ |
電源 | アルカリ乾電池 単4×3本、電池使用時間60H、毎日5分使用で2〜3年の長寿命 |
レンジ | 音圧により10段階に切替可能 |
表示 | 10個のLEDによるレベル表示 |
定量測定 | 換算表により定量測定が可能 |
標準サイズ | Φ25×740 mm(水浸部寸法400 mm) |
重量 | 約650 g |
種類 | SONOSABER-W(水用)、SONOSABER-H(炭化水素用) |
プロオーディオの技術者が作った超音波測定器
オタリにはプロ用のテープレコーダやミキシングコンソールで一世を風靡した歴史があり、現在もその技術が継承されています。 テープレコーダーやミキシングコンソールには、音楽や音声の音圧を正確に表示するVUメーターやインジケータが付いています。 オタリが作る超音波測定器はこのプロオーディオで培った技術が使われています。
超音波洗浄槽内の超音波の音圧測定とは
図1は、振動周波数28kHzの超音波洗浄機内の音圧を圧電素子(PZT)で電圧に変換し、 それをデジタル・オシロスコープで表示したものです。 この表示からもわかるように、超音波洗浄槽内の超音波は、 極めて不規則な衝撃波の集まりです、これは、 1.基本的な超音波振動によるエネルギー 2.キャビテーションによる不規則な衝撃波 この2つの要素が複雑に足されている結果なのです。
超音波洗浄機の洗浄能力は何によって決まるのか
超音波洗浄機の洗浄能力は何によって決まるのでしょうか。 水道の水で洗車を行う場合を例に取って考えてみます。 車を洗浄する場合その日に降った雨による泥はねなどの汚れは、 水道の水をかけただけで、簡単に洗い流すことが出来ます。 泥の量が多い場合は、水の量を増やす必要があるでしょう。 しかし水の量だけでは排ガスなどの車のこびりついた汚れは、 落とすことが出来ません。 この場合は、勢いよく水をかけることが必要になります。
超音波洗浄機による洗浄の場合、 洗車時の水の量は超音波洗浄機が発生する、 超音波エネルギーの総量に相当し、 水の強さは不規則な衝撃波の強さとなります。
すなわち、超音波洗浄機の洗浄能力を測定する為には、 洗浄槽内に放出される超音波エネルギーの総量と、 衝撃波の強さの両方を考慮する必要があります。
ソノセーバーは従来方式とどこが違うのか
ソノセーバーは超音波洗浄槽内の超音波振動を圧電素子により電圧信号に変換し、その電圧をA/D変換でデジタル化します。 そしてデジタル化された各レベルを数えることにより、超音波洗浄機が発生する不規則なエネルギーのピークをLEDのインジケーターにより表示します。
これは、音楽スタジオにおいて、レコーディングエンジニアが、 LEDメーターによって音楽のレベルを監視することに似ています。
図3に示すように、従来のアナログメーターによる測定は、等価的にローパスフィルターを入れたことになり、高い周波数成分は平均化され表示出来ません。
これは水道水で洗車する場合の洗浄能力を、水量だけ測って、 水圧を測らないことに似ています。
洗浄槽の深さ方向の測定
超音波洗浄槽の底に超音波振動子を取り付けて、液中に 超音波を照射すると、超音波振動子から照射される超音波と、液面で反射される波が重なり、定在波が生じます。
定在波が発生すると、音圧は振動子の表面から照射波長(λ)の1/2の場所に強い場所が、その中間に弱い場所が現れます。
特に比較的波長の長い(たとえば25kHz)超音波洗浄槽においては、深さ方向の音圧が洗浄槽の上下方向で、著しく異なります。
洗浄槽内の超音波の音圧を深さ方向の各位置に沿って、正確に測定する場合、超音波を測定する圧電センサーは、部分的な超音波振動の測定が可能となるよう、 測定棒の先端に取り付けられ、しかもそのセンサーは、支持棒から音響的に絶縁されている必要があります。
ソノセーバーは高感度のPZT(圧電素子)をステンレスの管の先端に取りつけ、それを音響的に絶縁することで、深さ方向の音圧を正確に 測定することを可能としました。
測定精度
ソノセーバーは10個の測定レンジがあり、各々のレンジに対して10段階の測定レベルが されています。 すなわちソノセーバーは100段階の音圧の測定ができます。 従いまして本測定器はおよそ1%の精度で測定が可能です。
測定レンジの切り替えは、ソノセーバーに上部に取り付けられているスイッチ付きのボリューム(VR)で 行います。
ソノセーバーの10個のLED表示器は、スイッチによりレンジ表示とそのレンジ内の音圧の表示のどちらか選択された方の表示を行います。 ソノセーバーの感度は水の音圧レベルに設定されていますが、音圧の低い炭化水素系溶剤を使用する場合は、 炭化水素用(SONOSABER-H)又は水・炭化水素両用 (SONOSABER-M)をご使用ください。
特殊仕様
・測定部分の材質変更(ステンレスを非金属の材質に変更) ・測定部の長さの変更 ・LED表示時間の変更(ピークの感度変更) ・感度の変更 等の特注品も承っております。
定期的な校正のお勧め
ソノセーバーが測定するのは、洗浄槽内の音圧(V-ボルト)ですが、特殊なアベレージングを しているために、一般的な測定器では校正出来ません。
オタリでは音圧測定器の基準となるマスター機を使用して機器の校正を行い、校正済みの機器に対しては校正証明書を発行しています。
定期校正に関してはお気軽にご相談ください。
貸出機のご用意
貸出機もご用意しておりますので、お問い合わせください。